
運動前のスタティックストレッチはダメって聞いたんだけど。

運動能力を下げるならやめた方がいいよね?
このような悩みにお答えします。
この記事を書いているYujiは、医療資格を持つトレーナーです。アスリートのストレッチやトレーニングを担当し、10000件を超える症例経験を持ちます。
本記事では、スタティック(静的)ストレッチが運動能力を下げる理由を紹介していきます。
本記事を読むことで、あなたのストレッチが劇的に変わります。
スタティックストレッチの正しい知識をつけて周りと差をつけよう!

もし分からない点があれば、『お問合せフォーム』か『Twitter(@cc_yuji)』のDMで質問を受け付けています。
目次
スタティックストレッチとは
スタティックストレッチは、スポーツ競技や体育の授業などで身近に行っているストレッチです。

柔軟体操という言葉は馴染み深いのではないでしょうか?それがスタティックストレッチです。
筋肉をゆっくり伸ばすため、大きな負担をかけることなく実施できます。特に、急な切り返しやダッシュなどを行うスポーツ前には、筋肉の状態を整えるため必ず行います。そして、運動を伴わず、その場で出来ることから、子どもに限らず高齢者まで安全に取り組むことが出来ます。
スタティックストレッチの動画
スタティックストレッチは、とにかく各筋肉を意識的に伸ばすことが重要です。可動域を広げることに意味があるので、しっかり伸ばしましょう。
また、どの順番でストレッチしたらいいの?という質問を多く受けますが、基本的には、首から腕、体幹、脚という順番で行うと良いでしょう。
スタティックストレッチの方法

皆さんは、おそらく体育の時間に前屈をやったことがあるのではないでしょうか?今回は前屈を例に説明します。
方法 | 内容 |
手順1 | 膝を伸ばして、真っすぐ身体を倒してください。 |
手順2 | モモの裏に張りを感じたら、そこでキープ。 |
手順3 | 20秒~30秒キープしてください。 |
手順4 | 息を止めず、リラックスして行ってください。 |
このように行うスタティックストレッチは、筋肉だけでなく腱も伸ばすことができることが分かっています。
30秒間で変わる驚きの効果

スタティックストレッチで姿勢をキープする時間って気にしたことはありますか?

時間?全然気にしたことないな~

気にしたことがない方には、絶対に役立つ情報です。
今回はこの研究を紹介します。
✔対象
健常男性と女性(平均年齢22.7±3.6歳)✔方法
・利き足のモモ前(大腿四頭筋)とモモ後(ハムストリングス)
・ストレッチの時間は、①6秒間キープ×3回と、②30秒間キープ×3回の2群比較
・柔軟性で評価した。✔結果
6秒間×3回 30秒間×3回 実施前 70.0 ± 15.4° 70.1 ± 15.5° 実施後 73.8 ± 18.4° 74.8 ± 16.2° 変化 3.8° 4.7° (引用:短時間のスタティックストレッチングが柔軟性および筋出力に及ぼす影響)
30秒間ストレッチが柔軟性を高めると証明されています。
Bandyさんが行った研究で、①15秒間 ②30秒間 ③60秒間を比較した結果、30秒間と60秒間で差がなかったという結果がでています。
Bandyさんの研究はコチラで検索
①Bandy,W.D. and Irion,J.M. (1994) The effect of time on static stretching on
the flexibility of the hamstring muscle. Phys Ther. 74(9) : 845-852.②Bandy,W.D., Irion,J.M. and Briggler,M. (1997) The effect of time and freq-
uency of static stretching on flexibility. Phys Ther. 77(10) : 1090-1096.

スタティックストレッチは、30秒間意識して取り組みましょう!
《検証》運動能力は下がるのか?

スタティックストレッチが運動能力を上げると思っていませんか?

スタティックストレッチは運動能力を上げるんじゃないの?

いつもウォーキング前にやってるけど?
このように考えている方が多いように感じます。
スタティックストレッチが運動能力にどんな影響があるか、科学的に証明されています。
✔対象
・健常成人20名(22.7±3.6歳)✔方法
・筋力測定器(BIODEX社製)
・スタティックストレッチを30秒間×3回行った。✔結果
実施前 実施後 等尺性膝屈曲 127.9 ± 26.3 122.1 ± 20.0 60deg/sec 膝屈曲 118.4 ± 28.7 111.5 ± 23.4
テレビでも取り上げられるほど話題になった運動能力を下げるストレッチは本当です。
スタティックストレッチがパフォーマンスを下げる論文は以前より出ていますが、組み合わせ方が大事なのに、邪魔者扱いは、ダメですね。
その辺りを研究交えて解説していこうかな「ストレッチ」は正しく行わないとワークアウトの邪魔になる!(ウィメンズヘルス) https://t.co/PWVpApBgxg
— Yuji_ スポーツトレーナー×ブロガー (@cc_yuji) April 24, 2020
《検討》やらない方が良い?
運動能力が低下する研究資料を見て、こう思った人はいませんか?

運動能力落ちるなら、やめておこう。
この考え方は、大きな間違いです。
結論から話をすると、スタティックストレッチは、『やった方がいい』です。
・スタティックストレッチは、可動域を大幅に改善します。
・筋肉系のケガ(ハムストリングス肉ばなれ等)をおったことがある人は、負傷足の可動域が狭くなる傾向にあるので取り入れるべきです。
・準備運動は、スタティックストレッチだけではありません。
・スタティックストレッチは、組合せにより相乗効果を起こします。
研究分野も、組合せた時の効果を検証しているものもあります。
それについては、別の記事でご紹介します。
まとめ
スタティックストレッチは、可動域を大幅に改善します。運動能力を下げる結果となっていますが、組合せることで新たな効果が実証されています。ぜひ、色々組合わせて自分の身体で検証してみましょう!
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