
安定性を高めるって本当?

体幹を鍛えるだけじゃないの?
このような疑問にお答えします。
この記事を書いているYujiは、医療資格を持つトレーナーです。アスリートのストレッチやトレーニングを担当し、10000件を超える症例経験を持ちます。
本記事では、安定性を高める体幹トレーニング”StabilityExercises”を詳しく解説します。
本記事を読むと、体幹トレーニングをオススメする本当の理由が学べます。

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体幹トレーニングとは
・パフォーマンスを向上する手段として、体幹の剛体化が注目されている。
・体幹は、運動時に腕や足の土台を担っている。
・体幹の剛体化は、腕や足を動かしたり、脚から腕へ力を効率よく伝達する。
・腹腔内圧が関与している。
(引用:体幹トレーニングおよび各種運動時の腹腔内圧の変化動態と体幹筋群の筋活動の関係)
※腹式呼吸やドローインといったトレーニングが流行っている理由は、腹腔内圧が関与しているからです。
剛体化に注目して誕生したのが体幹トレーニングです!では体幹トレーニングは、どんな種目なのでしょうか?
体幹トレーニングの方法
体幹トレーニングは、モデルや女優、アスリートなど多くの方が実践している種目でSNSで発信する人も多いです。これだけの方が実践している理由としては、美しくみられたい!カッコイイ身体が作りたい!スポーツ中の素早い動きに耐える身体が作りたい!という要望が多いからです。

このように、広く親しまれる体幹トレーニングは、様々な方向から研究されていて、その効果が証明されています。
体幹トレーニングに関する研究報告
・肩や股関節を動かす際、腕や足の筋肉よりも先行して、腹筋や背筋が筋活動を起こすことが報告されています。
(引用:Hodges,P.W.,et al.:Intra-abdominal pressure increases stiffness of the lumbar spine, Journal of biomechanics 38(2005),1873-1880.)
・ドロップキャンプの着地では腹腔内圧が上昇したと報告されています。
(引用:Grilner,S.,et al.:Intra-abdominal pressure changes during natural movements in man, Acta Physiologica103(1978),275-283.)
美しい姿勢作りや競技中の姿勢コントロールは、体幹トレーニングにより高まる腹腔内圧が重要であることが分かってきており、アスリートやモデル、高齢者などを指導するトレーナーの中で、大きく話題を呼んでいます。

では腹腔内圧とは何のことを指すのでしょうか?
腹腔内圧とは
人間には、内臓を収めている腹腔という空間があります。そこにかかる圧力を腹腔内圧と呼んでいます。その腹腔を構成しているものとして、下記が挙げられます。
1.腹筋群
2.骨盤底筋群
3.多裂筋群
4.横隔膜
この4つの筋肉が同時に収縮することで、腹腔内圧を高めることができるんです。腹腔内圧が高まることで、木で例えると幹の部分が安定するため、手足を自由に動かすことができます。
☞体幹についてもっと知りたい方はコチラで解説しています。

体幹トレーニングは、この腹腔内圧を高める効果が期待できるため、あらゆる業界から注目されているトレーニングです。では、体幹トレーニングでも、最も一般的なスタビをご存知ですか?
スタビとは
スタビとは、体幹トレーニングの中の1種目でStability Exercisesの略語です。Stabilityが安定で、Exercisesが運動という意味があります。スタビは、腹腔内圧を高めることが分かっています。一定の姿勢や動作を意識的にコントロールすることができる手軽で安全に行えるトレーニングです。
スタビトレーニングの方法
スタビを行うと、どんなにウェイトトレーニングをしている方でも、身体が震える方は少なくないんです。それは、身体が、重量に慣れていても、不安定な状況には慣れていないからです。そのため、あらゆる局面に対応するには、片手にしてみたり、片脚にするといった様々な刺激を身体に与えるのが重要です。色々なバリュエーションがあるので、ぜひお試しください。
スタビの研究
✔対象
健常成人男性10名(23.6 ± 6.9歳)✔方法
下記の動作の筋活動を測定した。
TST(trunk stability training)
TRT(trunk muscles resistance training)
LRT(upper and lower limbs movement muscles resistance training)
DSM(dynamic sports movement)各動作を1分間保持した。
各エクササイズの間は、十分な休息をとった。
✔結果
ES:左右脊柱起立筋
TA-IO:左右腹横筋-内腹斜筋
RA:腹直筋
EO:外腹斜筋
研究の結果報告を見ると、
スタビで一般的に用いられるFB(通称プローン)は、腹直筋の筋活動が高く、
SB(通称サイドブリッジ)は、脊柱起立筋と左右腹横筋-内腹斜筋で高い。
BBN(通称ヒップリフト)とBBE(通称バックスパイン)は脊柱起立筋の筋活動が高い。
これらの結果からスタビは、腹筋群や脊柱起立筋群(多裂筋など)を刺激しているため、腹腔内圧を高めるトレーニングである可能性があると明らかになっています。
もう一つ分かったこととして、体幹トレーニングは、姿勢によって活動する筋肉が異なるということです。そのため、仰向けにしたり、うつ伏せにしたり、横になるなど、あらゆる姿勢でトレーニングするとまんべんなく体幹筋を強化することが可能です。
体幹トレーニングの中でも、美容業界はサイドブリッジに注目することが多いです。それは腹斜筋が、美しいクビレを作る筋肉だからです。研究報告でも示している通り、サイドブリッジは腹斜筋を強く刺激することが分かっています。美しいクビレを作る腹斜筋は、美容に最適なトレーニングです。
☞サイドブリッジトレーニングに関する記事はコチラ
まとめ
・Stability Exercisesは、腹腔内圧を高める最強のトレーニングです。
・キープする姿勢により、活動する筋肉は全く違います。
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