
スクワットって本当にお尻に刺激入るの?

一度お尻に刺激入らず挫折したけど、方法があるなら知りたいです
このような声にお答えします。
この記事を書いているYujiは、医療資格を持つトレーナーです。アスリートのストレッチやトレーニングを担当し、10000件を超える症例経験を持ちます。
本記事では、お尻の筋肉痛を起こすスクワットについて紹介します。
本記事を読むと、スクワットで前モモに入ってしまう悩みを解決する方法を知ることができます。

もし分からない点があれば、『お問合せフォーム』か『Twitter(@cc_yuji)』のDMで質問を受け付けています。
目次
スクワットとは
スクワットは、肩幅程度に足を開いて、しゃがみ込むように行うトレーニングです。
ウェイトトレーニングでは、BIG3(スクワット・デッドリフト・ベンチプレス)の内の一種目で、高齢者においては、転倒予防して行われる代表的なトレーニングです。

スクワットは、お尻の筋肉を刺激することで知られています。しかし、下記のような悩みを抱える人がほとんどです。

お尻を鍛えたいんだけど、前ももばかり刺激が入ってお尻にこない。。
こうした悩みに対して、パーソナルトレーナーが行うよくある指導としては、フォームの改善です。では、どんなスクワットフォームが前ももに刺激が入りやすいのでしょうか?
スクワットのフォームについて
スクワットのフォームは、身体の使い方によって筋肉への刺激の入り方が変わります。では、どんなフォームをすると筋肉への刺激が変わるのでしょうか?
大きく分けて下記の2種類あります。下記の図をご覧ください。
前モモに刺激を入れるスクワットフォームは図の①にあたります。身体を立てて、股関節を深く曲げることなく、膝を前に出すようにして、しゃがみ込むフォームです。通称シーシースクワットと呼ばれ、前モモを鍛えるトレーニング種目として取り組んでいる方も多いです。
一方で、図の②がお尻をターゲットにしたスクワットです。これは、身体を強く前傾して、股関節を深く曲げて、椅子に座るようにしゃがみ込むフォームです。こうすることで、お尻の筋肉を強く刺激することが出来ます。

具体的にどんな筋肉が刺激されるのか解説します。
1.前モモの筋肉(大腿四頭筋)へ強い刺激を入れる方法
前モモ筋とは、大腿四頭筋の事を指します。これは、サッカーボールを蹴るような膝を伸ばす運動でよく使われます。
大腿四頭筋

起始:下前腸骨棘(大腿直筋)
停止:脛骨粗面
神経:大腿神経
作用:股関節屈曲、膝関節伸展
2.お尻の筋肉へ強い刺激を入れる方法
お尻の筋肉は、大殿筋や中殿筋のことを指します。例えば、全力でダッシュした際に、後ろへ蹴りだす運動で、よく使われます。最近では、美尻で大注目されている筋肉です。
大殿筋
起始:腸骨稜と仙骨、腰背筋膜
停止:大腿骨の殿筋粗面、腸脛靱帯
作用:股関節伸展、股関節外旋
神経:下殿神経(L5、S1、S2)
中殿筋
起始:腸骨外面の前殿筋線と後殿筋線の間
停止:大転子の外側面
作用:股関節外転、股関節屈曲・内旋、股関節伸展・外旋
神経:上殿神経(L4・5、S1)

では、どのようにしたらお尻に刺激が入るようになりますか?

改善が見られなかった場合、次のステップで指導するのが、お尻をターゲットにしたトレーニングです。
特に中臀筋を狙ったトレーニングは、よく目にしますし、私も指導で活用することが多いです。SHAトレーニングは、中殿筋を意識的に動かす代表的な種目です。
☞SHAトレーニングに関する記事はコチラ
このように、お尻を意識的に動かしてから、スクワットでもお尻の刺激を感じられるようにトレーニングすることが重要です。

しかし、これだけ取り組んでも、お尻に刺激が入らないことがあります。そこで、お尻に刺激を感じなかった私が、どのようにして刺激を入れることが出来たか紹介します。
体験談
私もお尻より、前ももに刺激を感じるタイプでした。そのため、お尻の筋肉を意識したトレーニングを取り入れました。ただひたすら、毎日トレーニングしていた事を覚えています。
しかし、お尻の筋肉をターゲットにしたSHAトレーニングは刺激を感じるもののスクワットになった瞬間、いつも臀筋に刺激が入らず迷子になっていました。
これは、1つの関節を使って意識的にトレーニングしていたものが、複数の関節とあらゆる筋肉を動員することで起こる現象です。

そこで、なぜ前モモに入るのか?どうすればいいのか?私は、ある仮説をたてました。
仮説検証と4ステップ

日常にスクワットの動作は、あまりない動きですよね?そこで、私はある仮説をたてました。
スクワットは、股関節を深く曲げると、前ももの出力は限りなく抑えられますが0ではないはずです。そのため、普段慣れない動きをするわけですから、上体を支える前ももは、フォームを作る上で必然と刺激が入ってしまうのではないか?と考えました。
なので、私はいくら前ももに刺激が入ったとしてフォームを意識して、上体を筋群を、とにかく作ることに徹したわけです。つまり、前モモからお尻の筋肉を刺激するスクワット動作へ変化させるためには練習が必要なんじゃないかと思ったわけです。しかし、『フォーム!フォーム!』といっても、いきなり重量持ってガツガツトレーニングするのではなく、まずは自重で出来る事を行いました。その時実践したステップが下記です。
- 1自重でスクワットフォームを作る。股関節を深くまげて体幹を前傾することに徹したスクワットを実施し、負荷が足りなくなったら次のステップへ移行です。
- 2低姿勢トレーニング低い姿勢でトレーニングを行うと必然的に股関節を大きく使います。そのため、股関節周囲に低姿勢トレーニングは非常に効果的です。
- 3スクワットジャンプ前後や左右に飛ぶことで、あらゆる筋肉を動員して行うため有効です。
- 4ウェイトトレーニング自重とジャンプで、正しいフォームを獲得ができたら、重量を持ったトレーニングに移行します。
上記ステップで、正直自重によるスクワットフォームというのは、負荷が少なくとも実感はありませんでしたが、低姿勢のトレーニングとスクワットジャンプは負荷量が高く、お尻の筋肉痛を引き起こす事ができました。
特に工夫したのが、低姿勢トレーニングで回旋系を入れたことです。これにより、普段刺激が入らない股関節周囲を強化することが出来たのは大きかったように感じています。
回旋系を導入したきっかけは、ファンクショナルトレーニングで記述した3面運動です。基本的に前額面や矢状面の運動は多くありますが、水平面の運動は少ないように感じています。そのため、普段使わない筋肉を呼び起こせたことが、成功したきっかけになったように思います。
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私が実感した効果

私が実践して感じた効果は下記の通りです。
1.立っている時の姿勢が安定した!
2.歩行が楽ちん
3.階段の登りが楽ちん
まとめ
お尻の筋肉痛がこない事で悩む方は少なくありません。ぜひ、私の実践が皆さんのヒントになれば良いなと思います。
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